イタリア旅行⑦<ローマ編>

2015/10/13

海外旅行

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イタリア旅行⑦<ローマ編>

 ローマ初日の朝、起床は6時45分で7時半に朝食を食べる。今日は連泊のため、次のホテルに移動する必要がなく、スーツケースの準備をしなくていいので、いつになくゆとりのある朝だ。朝食バイキングは、初日のハブ・ホテル以来の品数で、目玉焼きがあったのが印象的だ。ハブ・ホテルで桃缶が出て以来ずっと洋梨だったが、久々の桃缶にも巡り会えた。

 出発はいつもより遅い8時45分、今日は午前中にいつも通り団体で観光し、午後からはフリータイムの予定となっており、いつもとは違うバスに乗りローマ市街へ向かう。
泊まったホテルの隣に学校があるが、子どもたちはみんな親に手を引かれて登校している。添乗員さんいわく、ローマではこれが当たり前で、日本のように子どもが一人で学校に行くのは、誘拐されに行くようなものなのだとか。だから、フリータイム時も子どもを絶対に一人にせず、手をつないで歩くことと念を押された。
 バスから見るローマの景色は、今までのイタリアの都市の景色とはまた違い、貫禄というか、重みというか、ちょっと別次元の感じがした。午前中の観光は、まず「真実の口」がある「サンタ・マリア・イン・コスメディン教会」から。バスを降りて教会まで信号を渡るのだが、月曜日の朝ということもあり、通勤の車で道路はごった返しているが、ここの街の人は信号なんてあってないようなもので、車でさえ赤信号でも歩行者がいなければ平気で信号無視をするし、歩行者も信号なんて守る気もないのか、車さえ来ていなければ当たり前のように信号を無視して渡っている。これだけの車の量でこんなことをして、よく事故が起きないものだ思う。ミラノの時にガイドさんが「イタリア人はほとんど法律を守りません」という笑い話をした時、さすがに大げさに言っているのだろうと思っていたが、全く大げさではなかったことがだんだんわかってきた。さらに、イタリアの歩行者信号は青になったとたんに黄色に変わるため、日本人は慌てるが、黄色になってから赤になるまでの時間がやけに長く、これでは黄色信号の意味が全くないのである。また、信号が全体的に低い位置にあり、日本のような頭上に横になっている信号機はほとんどない。ここでレンタカーを借りて運転する人はよっぽど度胸のある人だろう。
 教会では、現地ガイドのアンナさんと合流する。早朝のため、真実の口はまだオープンしておらず、外でしばらく並んで待つことに。わりと早かったようで、前の方に並ぶことができたが、しばらくすると後ろにかなりの行列ができていた。15分ほど待ってようやくオープン、真実の口の前にはお金を入れる場所があり、チップで一人50セントほどを入れるらしい。チップを入れ、係のお兄さんにカメラを渡すと順番に写真を撮ってくれる。とりあえず口に手を入れるという芸のない写真を撮り、その後、中の教会本体を少し見学する。

「真実の口」

 バスに戻って次に向かったのは「コロッセオ」。もはや説明は不要であろうが、ローマ帝国時代の奴隷たちの格闘場。このツアーではコロッセオを外観から見るだけのため、グラディエーター好きの嫁さんのリクエストでフリータイム時に自分たちで中に入ることにしていた。コロッセオのチケットはまともに買うと相当並ぶらしいが、「コロッセオ」と「フォロロマーノ」の共通チケットだとやや割高だが並ばずに買えるとのことで、ガイドさんに案内してもらい一人12ユーロ(子どもたちは無料)で今のうちにチケットを購入しておき、いざコロッセオへ。近くで見るコロッセオは想像以上に大きく、迫力満点だ。コロッセオの近くには凱旋門もある(凱旋門はフランスだけではないのだ)。この時点ではツアー中なので外観を見て写真を撮るだけ。その後、すぐ隣にある「フォロロマーノ」という古代ローマ遺跡を柵の外から見学する。ここでツアーグループはテルミニ駅近くの三越へ向かうのだが、うちの家族はコロッセオに入る予定を組んでいるため、またここに戻ってくるのが面倒ということもあり、添乗員さんにお願いして、うちの家族だけ単独でグループから離れて一足先にフリータイムに突入することに。

「コロッセオ近くの凱旋門」

「コロッセオ」

 さぁ、ここからは自分たちの力で観光してホテルに辿り着かなければならない。我が家は私以外こういったことを計画できる人間はおらず、すべては私に一任されている。さすがの私も国内ならいざ知らず、海外は2度目なのでやや不安はあるが、とりあえず万全の準備はしてきたので、その計画に沿って進む。
 まずはコロッセオの周りをぐるッと回って、反対側にあるトイレ(1ユーロ)へ行き準備を整える。ちなみに、このフリータイムで一番気を使ったのはトイレ。子どもがいるので急にもよおすこともあることから、事前にトイレのありそうな場所はチェックしておいた。このブログでもこれから行く人の参考のため、なるべく紹介していきたい。

 コロッセオに入るにあたって、事前に添乗員さんからは「さっき買ったチケットを持っていれば並ばずに「別の入口」から先に入れてもらえる」と聞いていたが、どこがその「別の入口」なのかがわからない。書いてある文字も読めないし、人に聞こうにも何と聞けばいいかがわからない。いきなり壁にぶち当たるのである。とりあえず、何となく並んでいる人が少なそうな列に並んでみる。すると、荷物検査を受けて無事入場できた。わからなくても流れに任せれば何とかなるものだ。
 中に入ると、やはり外から見るのとは全然違う迫力がある。広さは日本のプロ野球ができるくらいはあるのではないだろうか。グラディエーターたちが戦った舞台はなく、地下の奴隷たちの控え室跡が剥き出しになっている。客席も座ったりする場所はなく、その面影だけが残っている。2000年以上も前に、現在のスタジアムにも匹敵するような建造物を構築したローマ人にあらためて感服するのである。
 ちなみに、コロッセオの中にもトイレがあったのであわてて先に行く必要はなかったと後悔する。コロッセオ付近には(他の場所にもいたが)グラディエーターの格好をした人が「Take a picture」と連呼しているが、これはたちの悪い連中で、中には100ユーロくらいぼったくられた人もいるとか。遠くから写真を撮ろうとしてカメラを向けると、ずかずかと寄ってきてお金を請求されたりするので注意が必要だ。

「コロッセオ」内部

グラディエイターたち




 憧れのコロッセオを見学し、テンションMAXのまま、「ヴィットリオ・エマニュエーレ2世記念堂」へ向かう。ヴェローナでも紹介した「Maps」アプリでルート検索すると、フォロロマーノを突っ切って行く道を示したため、せっかくなので先程のコロッセオとの共通チケットを使ってフォロロマーノの中へ入る。フォロロマーノは遺跡らしい遺跡で、昨日行ったポンペイ遺跡に雰囲気は似ている。ちなみに子どもたちは遺跡よりもそこにいたトカゲに興味を示していた。フォロロマーノの中を北へ向かい歩いていると、途中でナビが示す道が工事のため行き止まりになってしまっており、あわてて別の道からフォロロマーノを出る。その後もナビは迷走し、変な美術館みたいな建物に入ったりして一瞬くじけそうになったが、警備の人にスマホの地図示し、ようやく行き方がわかった。何のことはない、次に行こうとしていたヴェネツィア広場の真向かいであった。

「ヴィットリオ・エマニュエーレ2世記念堂」

「ヴェネツィア広場」

 「ヴィットリオ・エマニュエーレ2世記念堂」の正面入口は大きな階段になっており、ヴェネチア広場を正面に見ることができる。その階段に座ると警備員が「ピピーッ」と笛を吹いて注意してくる。なぜ座るとダメなのかはよくわからない。中に入り、階段を登って2階のテラスのようなところから再びヴェネチア広場を正面に見たローマの景色を見渡す。本当は有料のエレベーターでさらに上まで行けるようだが、この時点で子どもたちがかなり疲れていたこともあり、ここでの景色で満足することにする。ちなみに、この「ヴィットリオ・エマニュエーレ2世記念堂」にも中2階のようなところにトイレがある(たしか無料)。



 昼食の時間となり、当初はカルボナーラのお店に行きたかったのだが、次の目的地である「パンテオン」とは逆方向であり、子どもたちが朝からの見学と、ここまでの道のりで相当疲労の色を見せていたためやめることにし、パンテオン近くの「グランカフェ」というカフェで昼食をとることに。店に入ると、カフェとは思えない立派なソファー席のようなところに案内される。日本のようにすぐに注文に来るかと思いきや、待てども待てども誰も来る気配なし。イタリア語と英語が並記されたメニューを見るが、一体どんな料理なのかさっぱり見当もつかない。10分くらい「あーでもないこーでもない」と悪戦苦闘した末、頼んだのがサンドイッチ(5.5ユーロ)とシーザーサラダ(10ユーロ)である。もちろんアクアミネラーレも頼む(500mlで3ユーロ)。サンドイッチはハムとチーズを挟んだシンプルなもので、パンも固く、おいしいとは言えない。シーザーサラダも日本の居酒屋で食べるようなものではなく、ドレッシングが酸っぱく、微妙な味であった。
 食事も終わり「チェック」とウエイトレスに言ってみたが、いっこうに精算に来る気配はない。どうやら今までのレストランでのテーブルチェックとは違い、カフェなので自分たちでレジで精算する方式のようだ。とにかくこちらの店員さんは、聞かれたこと以上のことは答えてくれないし、相手が違うことを訴えてきた場合に「そうじゃないですよ、こうして下さい」という親切な一言が全くない。「ノー」と一言冷たく言って終わりである。これがイタリアは一般的にそうなのか、たまたま自分たちが話しかけた人がそうだっただけなのか、日本人で言葉が通じないから教える気がないのかわからないが。
ちなみに、このカフェのトイレのドアにはなぜか「?!」というマークが書いてあるだけで、一見トイレとはわからない。まるで扉の向うには「何があるかお楽しみ」とバカにされているようである。せめてトイレくらいはあの「男女」マークで表示してくれてもいいのに、使わせたくないからわざとそうしているのかと思うぐらいである。

ペンネ

シーザーサラダ

サンドイッチ


↑グランカフェの場所

 とにかく神経をフルに使って昼食を何とか終えた我々は、次に「パンテオン」に向かう。ギリシャにある「パルテノン神殿」とパッと見似たような作りの神殿は、名前も似てるし、おそらくギリシャから伝わったものなのだろう。中は無料で入って見学することができ、屋根の真ん中に穴が開いていて日の光が入るようになっており、教会のように荘厳な感じがある。

「パンテオン」




 次に、パンテオンすぐ近くの「サンタマリア・ソプラ・ミネルヴァ教会」をチラッと見学した後、ナヴォーナ広場まで歩いて一休み。イタリアは、街の中にとにかく「広場(ピアッザ)」と名のつくスペースがあちこちにある(「piazza」と表記するため、地図上ではピザ屋のことかと勘違いするが、そうではない)。その中でもナヴォーナ広場は彫刻と噴水が印象的で、すごいカッコイイ。夜はライトアップされるらしく、ローマに行ったならぜひ行ってほしいポイントの一つだ。ナヴォーナ広場にある雑貨屋を覗いていると、ザーっという雨が降ってきた。ここまで何とか雨に当たらずにいた旅行だが、ここに来てついに雨に当たったか、と思ったが、通り雨だったようですぐに止んだ。なお、このナヴォーナ広場北側の道路に公衆トイレがある。

「サンタマリア・ソプラ・ミネルヴァ教会」

「ナヴォーナ広場」


↑ナヴォーナ広場付近のトイレの場所

 雨が止んだスキに、ナヴォーナ広場から歩いて数分のところにあるジェラートの老舗「ジョリッティ」へ。中に入ると奥にジェラート売り場があるが、その前に手前のレジでジェラートの大きさを言ってお金を払い、そこでもらったレシートのような紙を、奥のジェラート売り場の人に渡すとジェラートの味を聞いてくる、というシステムになっている。日本の場合、売り場の人に頼んでお金もそこで払うというのが当たり前なので、最初はその分割システムがわからずマゴマゴしたが、人々の動きを見てようやく理解した。ジェラートの値段は一番小さいやつでも2.5ユーロで2フレーバー(2つの味)を選べる。2フレーバーのものを4つを頼み、売り場で味を選ぶ。子どもたちと自分は無難にチョコとホワイトクリーム、嫁さんはブルーベリーとブラックチェリーを頼む(旅行前はピスタチオ味を楽しみにしてたようだが、ヴェローナのジェラート屋で食べたものがあまり期待していた味と違ったので今回は別のにしたとのこと)。ジョリッティのジェラートは濃厚でとてもおいしかった。イタリアではあちこちにジェラート屋がある(ジェラートといっても日本でいうアイスクリームと何ら変わりはない)が、やはりおいしいところとおいしくないところはあるし、全体的に甘ったるい。また、コーンにするとやたら枠からはみ出て大盛りに盛り付けるため、すぐ溶けて垂れてきて手がベトベトになるのでポケットティッシュは必携だ。


 旅行前に見た本などで、「イタリアはジェラートがおいしい」とよく書いてあったが、味に関しては日本のアイスクリームは決してイタリアにひけをとるものではないため、日本に比べて特別イタリアのものがおいしいとは感じなかった。それよりも、ジェラート一つ頼むのも言葉が通じない&注文の仕組みがわからない&店員は親切には教えてくれないので、やたら神経を使う。ただでさえ体はすでに旅行でヘトヘトのため、やや心が折れそうになる。日本では「おもてなし」で東京オリンピック招致まで果たしたが、イタリアはその素晴らしい遺跡や教会を見に、世界中の人が黙ってても訪れるため、観光客をもてなす文化は特にないようである。ジェラートを食べながらそんなことを考えた。

 ちなみにジョリッティにも奥にトイレがあり、特に監視されている様子もないため、極端に言えば買わなくても入れそうである。我が家は買ったので堂々と使わせてもらった。



 次に向かったのは「ローマの休日」で有名なトレヴィの泉。当時、トレヴィの泉は修復中であることは知っていたが、せっかく来たのだから雰囲気だけでもと思い行ってみた。泉に水はなく、透明な板でぐるっと覆われており、いかにも「工事中」の雰囲気で全く趣はないが、それでも観光客はかなりの数でにぎわっていた。泉の背後にある彫刻がやたらでかく、何かに似てると思ったら、我が街札幌が誇る「さっぽろ雪まつり」の大雪像のようだ。

「トレヴィの泉」



 次はスペイン広場。これも「ローマの休日」世代であれば、感動もひとしおなのであろう。ここの広場も人、人、人で、やたら長く大きな階段に、ものすごい人がごった返しているのだ。何となく階段に座って広場の喧騒を眺めてみる。
 ちなみここにも1ユーロの公衆トイレがあったので利用する。

「スペイン広場」


↑スペイン広場のトイレの場所

 この広場のすぐ近くに地下鉄メトロの駅(Spagna駅)があり、そこからテルミニ駅へ向かう。自動券売機は4つあったが、まともに使えるのは一つだけであとは壊れていた。使い方もよくわからなかったので、人のいる券売所に行って切符を買う。ローマ市内の交通機関はAtacという会社がバス、地下鉄、トラム(路面電車)を運営しており、切符もすべて共通なのだ。バスの中では切符は買えないと聞いていたので(実際乗ったバスには券売機らしき機械があったが、それが何かは不明)帰りのバスの分もここで購入することにした。後で気づいたことだが、切符の枚数は頼んだ枚数より1枚多く、もらったおつりも若干少な目だった。決してだまされたわけではなく、勘違いしてしまっただけだと信じよう(皆さんも、日本のように頼んだことが当たり前にやってもらえると思わずに、必ずその場で確認しよう)。

切符の自動販売機


 やっとの思いで切符を買い、いざ地下鉄へ。改札は日本のそれとあまり変わらず、地下鉄もすぐにやってきた。車内はかなり混んでおり、騒がしい。スリも多いとの事前情報があったため、ピリピリしながら乗ったが、幸い何もなく降りることができた。しかし、地上に登る階段を上ろうとすると、そばにいた警備員が鋭い顔で「ここは通れない!」と言ってくるのだ。どうやらここは出口ではなかったからだったのだが、日本人の普通の感覚では、「出口はあっちだよ」と案内くらいしてくれてもよさそうなものだが、ただ「ここは通れない!」というばかりで、どこが出口なのかは聞かないと教えてくれない。意地悪しているとしか思えないわけである。
 どうやら出口はもっと奥の方だったらしく、なんとか無事に地上に出ることができた。テルミニ駅はローマのターミナル駅で、駅自体はかなり大きく、日本のショッピングモールのような雰囲気もある。そこから歩いてすぐ近くの三越ローマ店へ。三越と言っても、日本のようなデパートではなく、免税店になっていて、地上階と地下一階の2フロアしかなく、おまけにあまり広くはないので置いてある品数はそれほどでもない印象だ。しかし、さすが日本の企業である。トイレは無料で利用できるし、水のみ場もある、まさに日本人にとってはオアシスなのである。

「三越」



 一通り見た後で、今度は駅に戻り地下のスーパーへ。「Sapori & Dintorni Conad」という青い色のお店で、ここでお土産のバーチやフェレロ・ロシェのチョコ、チーズ、ピンクのベリーニ、オリーブオイル、インスタントリゾットなどネットに乗ってる有名な食品類はだいたい手に入る。ミネラルウォーターも0.5ユーロと今までで一番安かった。我が家もエコバックに入り切らないほど買い物をした。
 ちなみにスーパーで買い物をするシステムも日本とは全く異なっている。カゴはまるでスーツケースのように引きずって歩くタイプで、レジでは日本のようにカゴそのものをレジに置くことは許されず、自らカゴの中身を一個一個取り出してレジに並べなけれはならない。レジには偉そうにイスに座った店員さんが、まるで空港でパスポートをチェックする人のようにめんどくさそうに一個一個の商品をスキャンして、袋がいるかいらないかを聞いてくる(たぶん袋は有料)。お金を払うと、また自分で一個一個袋に詰めていくのだが、日本のようにカゴごと別の場所に持っていってゆっくり袋に詰めるなんて暇は許されず、その場で次の人の商品がバンバンスキャンされるなか、急いで袋詰めをする必要がある。ほとんどお客さんというより奴隷である。日本のモンスターカスタマーが来たらどういう反応を示すのだろうか、「お客様は神様です」という日本の常識はここローマで見事に打ち破られた。
 ちなみにカードは利用可能で、お店の出口にはなぜか黒人のおっかなそうな人が(店の人なのか何なのか不明)買ったものを全部身ぐるみはがすぞと言わんばかりに立っていた。

 もう歩き疲れ、荷物もたくさん持っていたので、テルミニ駅2階のセルフレストラン「Chao」へ。ここは日本のフードコートのような感じで、昼間食べ損ねたカルボナーラを4つ頼んで、お盆に乗せたらそのままレジへ。カルボナーラが一つ4.5ユーロだっので合計18ユーロ。ここまで、飲みたくもない飲み物をいちいち頼んで、デザート含め必ず3品ずつ出てきた食事に食傷気味だったので、はっきり言って子ども連れにはこの方がありがたい。ちなみにここのレストランはメニューはそれほど多くなあが、マルゲリータやサラダなどもあり、飲み物もペットボトルで売っているので勝手にお盆に乗せてレジへ行けばいい。ものすごい気が楽だ。

「Chao!」

カルボナーラと水

 なお、このレストランのすぐ近くにトイレは70セントで利用可能。食事とトイレを済ませ、くたくたになった身体を引きずりながらテルミニ駅の駅舎すぐ横にあるバス乗り場へ。テルミニ駅は大きなバスターミナルがあるので、バスの番号さえわかっていれば、その番号が書いてある乗り場に行けばいいだけなので、全然難しくない。我々が泊まるH10ホテル・チッタへは170番に乗ればよいということは事前にわかっている。なおFとG乗り場の間に自動券売機があった(壊れてないかどうかは不明)。すでに170番のバスは乗り場に待機していたため、乗り込んでスペイン広場の地下鉄駅で買った切符に刻印をする。


テルミニ駅

 ローマのバスは、日本のバスのように降りるときに運賃を払う(もしくはICカードをかざす)というシステムは一切なく、バスの中に設置されている打刻機に事前に地下鉄駅やタバコ屋で購入しておいた切符を入れるとその時刻が打刻され、その時間から100分以内は乗り降りが自由となるというシステムになっている。しかし、乗るときも降りるときも切符をチェックするシステムが一切ないため、打刻しなくても、もっと言えば切符を持っていなくても自由に乗れてしまう。しかし、ごくたまに抜き打ちで切符検査があり、打刻していなかったり、切符そのものを持ってないことが判明した場合にはかなり高額な罰金を取られるということらしい。
 出発駅であるテルミニ駅では、バスの車内は少し立ち客が出る程度の混み具合だが、途中のバスストップでかなりの人が乗り込んで、ヴェネツィア広場の停留所ではものすごい数の人がワサッと乗ってきて、あっという間にコミコミになったが、乗り込んでくるイタリア人は誰一人、切符を打刻機に入れる様子を見せる人はいない。良く考えれば、すでに別のバスで刻印し100分以内に乗り換えているのか、定期券があるのか(そんなものがあるかは不明)もしれないが、おそらくはほとんどの人が無賃乗車であると思われる。レストランはやたら高いくせに、バスでもっとしっかりお金を払わせる方法を思い付かないのだろうかと、本当に不思議な国だと思う。
 また、日本のように次の駅名のアナウンスや電光掲示板の表示は一切なく、現時点でどこを走っているかが全くわからない。おもてなしする気はサラサラないのである。バス乗車中は全員がスリに見え、我々家族は終始ピリピリしながら(しかし表情は余裕を装う)、しかも頼みのスマホのGPSがうまく機能せず、アナウンスもないため、もしかすると目的地を通りすぎたのではないかという不安もあったが、目的地周辺に来ると、事前に調べておいたコースと同じような道路の曲がり方をしたので、どうやら通り過ぎてはいないらしいと一安心、何とか目的地のバス停で降りることができた。
 子どもたちはバスの中でぐっすり寝たようで、降りるときには寝ぼけ気味でかんしゃくを起こしていた。無理もない、大人でも疲れ果ててしまう行程を大人と一緒に回っているのだ。ここまでタフについてきてるだけでもすごいと思う、今日も、午前中に疲れの色を見せたものの、昼食以降は元気を取り戻し、歩き回ったわけだから、あらためて我が子のパワーに感動した。
 バス停からホテルまでは徒歩5分くらいで到着。何とか無事スリに合うこともなく、フリータイムを終えることができた。ものすごい疲れたし、ローマの嫌な点もたくさん見たが、素晴らしい部分もたくさん見ることができた。何よりも自分たちの力で歩き回って、いいところも悪いところも体験することができたのは、日本にいてはできないことだし、人生において何か得るものがあった気がする。
さあ、明日はいよいよ最終日。長い旅ももうすぐ終わろうとしている。

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