知床流氷ウォークの旅

2020/03/01

北海道旅行

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知床流氷ウォークの旅

いつも聴いているラジオで数年前に紹介されていた「流氷ウォーク」。いつか行ってみたいと思いながらもタイミングが合わず行けていなかったが、満を持して参加してみることに。

折しも、年明けから「新型コロナウイルス」なるものが日本にも少しずつ脅威を見せ始めていたころだったが、とりあえずその前に予約していた旅行だったので、そのまま出発。
9時前に家を出て、高速で遠軽まで行き、そこから一般道を進み、途中車中で弁当を食べながらおよそ5時間半ほどでウトロの道の駅「うとろ・シリエトク」に到着。




道の駅は臨時休業しており、ガランとしている。まさか流氷ウォークも中止なのでは、という不安がよぎったが、時間が近づいてくると人がゾロゾロと集まりだしたので一安心。

今回案内してくれるのは「シンラ」さんという会社。いろいろ見た中では、比較的安価で良さそうなツアーをしていたので申し込んだ。一人のガイドさんが2~3組を案内している感じ。我が家をガイドしてくれるのは女性の優しそうな方。本当は我々ともう1組の2組で回る予定だったのだが、直前でキャンセルが入ったようで、ラッキーなことに我が家専属でガイドしていただけることになった。
 
車は道の駅に置いて、シンラさんのバンに乗り、2~3分走ったところに移動。そこで専用のドライスーツに着替える。まずはガイドさんがお手本を見せてくれる。結構大変そうだったが、いざやってみるとわりとすんなり着ることができる。ただ、力の弱い子どもたちは悪戦苦闘しており、ガイドさんに手伝ってもらっていた。
スーツはブーツと一体になっており、専用の手袋を後からはめる形。なので靴も手袋も持参する必要はない。スーツを着るので中はあまり分厚い服やスカートなどはNG。フリースやセーターなど暖かいものに動きやすいパンツにヒートテックがベストの選択だろう。帽子だけは持参する必要があり、耳も隠れるニットの帽子が推奨。耳を隠さないと絶対死ぬ。
私以外は全員新作のスーツだそうで、色もカラフルでオシャレだったが、私は青いスーツでまるでドラえもんではないかと家族全員がゲラゲラ笑っていた。
水が入らないように、穴のある手首と首の部分はわざときつく作ってあるので、あまり大柄な人は着ることができない。それでも実際100kgぐらいの人なら何とか着ているらしい。ただ、過去にはかなり大柄な女性が着たあとに苦しくて棄権したという実績もあるとか()。ガイドさんの夢はマツコ・デラックスさんにこのドライスーツを着せてあげることだとか。
 
この日は風もなく晴れており、ドライスーツを着るとほとんど寒さは感じない。全員ドライスーツを着たら歩いていざ海へ。海は流氷がびっしり敷き詰められており、どこが波打ち際かもわからないような状態。ガイドさんが「ここからは海になる」と教えてくれてようやくわかる感じ。海の中は流氷の部分と、単に海水の表面が凍っている部分とに分かれており、海水の部分はそれほど厚い氷ではないので重たい人が乗ると割れて落ちてしまう危険性があるらしい。なので、できるだけ流氷部分を歩き、流氷がない場所は一人一人の感覚を空けて氷に重さがかからないようにしてどんどん沖の方へと進んでいく。



ガイドさんいわく、「沖の方までびっしり流氷が敷き詰められたのはここ数日。それまでは波打ち際に打ち寄せられた流氷の上を岸に沿って横に移動するしかなかった」とのこと。途中、海の上にただ浮かんでいるだけでゆらゆら動く流氷もあり、その上を歩くとさながら「風雲たけし城」の竜神池(古い)。そんな天然のアスレチックをどんどん進み、かなり沖の方にある大きな流氷のところで写真タイム。カメラはガイドさんに預けて防水ケースに入れてもらっていたので、ここで取り出す。もちろん自分で防水ケースを持参してもよい。長女のリクエストで時間まで行けるとこまで沖へ進むことに。途中、かなり広くて平らな流氷にみんなで寝転がってみたりする。



だいぶ進んだところで、ガイドさんから「流氷風呂に入りませんか?」とお誘いが。「え、温かいの?」というボケをかます次女だが、温かいわけはない。要するに海の中に入るということである。好奇心旺盛な長女は大喜び。慎重で怖がりの次女は、耳に持病を持っていることもあり、水が耳の中に入ることを恐れてびびっている。とりあえずその場所まで案内してもらうことに。岸の方に戻り、氷が薄くなっている場所まで戻ると氷が割れて本当に風呂のような大きさの穴が開いている場所があった。
ドライスーツを着ているので沈むことはなく、足も着く高さなので大丈夫、とガイドさんから説明があり、さっそく長女がトップバッターで風呂の中へ入り、続いて私も。ドライスーツ自体(特にブーツの部分)に非常に浮力があるため、足を地面から離すとVの字で水の上に浮かぶことができる。注意点としては、うつ伏せの形で浮いてしまうと首から水が中に入ってしまうのでダメなのだとか。また、袖の部分も手袋との間に切れ目があるため、できるだけ手は中に入れないようにしなければならない。
浮かぶのは簡単だが、ブーツの浮力が強いので、逆に元の状態に起き上がる方が難しい。足をある程度思い切り振り下ろして、周りの氷に捕まったりしながら起き上がる必要がある。
最終的には嫁と怖がっていた次女も中に入りみんなでプカプカ浮かんで楽しんだ。ドライスーツを着ているのである程度寒さはしのげるものの、やはり長い時間入っていると少しずつ身体が冷えてくる。5分ほど遊んでガイドさんの案内で上がることに。

これで約1時間弱の流氷上の旅は終了。車に戻って元の服に着替える。子どもたちは風呂の際に手袋の隙間から水が侵入したようで、手がとても冷たくなっていてうまく着替えられずガイドさんに手伝ってもらっていた。着替え終わって海を見ると、流氷がびっしりと敷き詰められた海の中に太陽が沈もうとしている。水平線(氷平線)のあたりは少し雲がかかっており、雲がなければもっとキレイな夕陽が見れるようだが、十分である。冬の知床は3~4回目だが、この景色は初めて。すばらしい。



<流氷ウォーク>

催行期間:2月1日~3月31日(状況により催行中止の場合も)
所要時間:約1.5時間
料金小学生以上一人6,000円


シンラさんのバンで再び道の駅に戻りガイドさんとはお別れ。すっかり冷えた身体を車内で暖めながら、本日の宿へ。宿はウトロから40kmほど離れたところにある「往還丸」というところ。


斜里町中心部から少し西に行ったところにある。途中、斜里のツルハでお酒やジュース、おつまみを買い、18時すぎに宿に到着。2階建てのペンションがオシャレだ。中に入ると優しそうな女性が受付をしてくれる。食事は18:30からでいいですか、と聞かれたのでそれでいいと答える。案内された部屋は1階。四隅にベッドがあって清潔そうな部屋。



ただ、冷えきった身体には少し寒かったので、ロビーに出て、暖炉の前のくつろぎスペースで過ごす。



ここで少し宿の紹介。見たり聞いたりした限りの情報なので誤りがあったらすいません。
  • 部屋は1階に1部屋、2階はたぶん2部屋。
  • 1階は部屋の他にカウンター、暖炉のあるリラックススペース、食事をするスペースがある。2階にもちょっとしたくつろぎスペースがあるように見えた。
  • トイレは共用。男女は別。トイレ自体はとてもキレイ。
  • お風呂は家庭用のユニットバス。1つしかないので交代で入る必要あり。
  • 暖炉前のリラックススペースには雑誌やマンガ本がいろいろ置いてある。
  • かつては喫茶店兼ペンションだったようだが、客として来た現オーナー(いつかは北海道でペンションをやりたいと思っていたらしい)が気にいって譲ってもらったとか。
  • 暖炉は現オーナーが好きで設置。レンガもオーナーが自身で積み上げたもの。




この日は我々が来る前に来ていた家族連れの客が一組と、我々の後に一人で来た客の計3組が宿泊。
幸いにも、こちらにはコロナの影響はこの時点ではあまりなく、キャンセル客もほとんどいないとのこと。
夕食は手作りの豚丼と大根の煮物、焼き魚と味噌汁、サラダのセット。いつもバイキングを利用することが多い我が家だが、たまにはこういうあったかい家庭料理もいいものだ。とても美味しくて子どもも喜んで食べていた。


食事の後は、冷えた身体を暖めるために順番にお風呂に入り、暖炉の前のくつろぎスペースで各々好きなことをしてくつろいだ。私も缶ビールと酎ハイですっかり酔っぱらってリラックスできた。



翌朝は7時から朝食。食パンとサラダ、ベーコン、チーズのセットでこちらも美味しくいただいた。


<往還丸(おうかんまる)>

住所:北海道斜里郡斜里町大栄51-6
:0152-23-4460
公式URLコチラ

とってもあったかい雰囲気でもてなしてくれた往還丸さんの方達と写真を撮ってもらい、宿を後にする。
帰りに「オホーツク流氷館」に立ち寄ってみる。中ではゴールデンカムイの展示と、田村まさかさんという謎のモノマネタレントさんが、なぜかオカリナを吹いていた。



<オホーツク流氷館>

住所:北海道網走市天都山244番地の3
:0152-43-5951

念願の流氷ウォーク、いい感じで堪能できた。
この後、世界は新型コロナの猛威に翻弄される。


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