ザ レイクビュー TOYA 乃の風リゾート
2012年10月に、旧洞爺パークホテル天翔をカラカミ観光から買収した野口観光が、同ホテルをリニューアルし「ザ レイクビュー TOYA 乃の風リゾート」として新装オープンさせた。前からどんなところか気になってはいたのだが、たまたま機会があって宿泊することとなった。洞爺パークホテル天翔には一度宿泊したことがあったが、正直あまりいい印象はなかった(悪い印象もないが特にリピートしたい要素がなかった)。リニューアルした乃の風リゾートは少し高めの料金設定で、高級感をウリにした温泉にイメージチェンジしたようだ。
到着すると、高級をウリにする旅館でよくある「ウエルカムドリンクサービス」と座ってのチェックインというサービスで出迎えてくれる。ロビーはモダンなたたずまいで、壁には本物の火がゆらゆらと揺れたオシャレな飾りがあったり(偽物だと思って触ろうとしたら熱かった)、雰囲気の良さを感じさせる。さっそく案内された部屋(和洋室)のドアを開けて思わず「おー」と歓声をあげてしまった。大きな窓からは洞爺湖が一望。しかもその窓が出窓のような構造になっているため、すぐ真下に湖があるかのような素晴らしい眺望なのである。何度も洞爺湖に訪れたことのある北海道民の我々でさえ歓声をあげてしまうのだから、北海道外の観光客や外国の方などはこの景色に感動するのではないだろうか。
とりあえず部屋で一休みした後、大浴場へ向かう。このホテルには浴場は2箇所あり、一つはメインの展望大浴場、もう一つは昭和の銭湯をイメージした「THE銭湯 昭和乃湯」だ。まずは展望大浴場へ。浴場自体はそれほど広くはなく、いろんな浴槽を楽しめるタイプの温泉ではないが、特徴的なところとして、薬湯や季節の湯(季節ごとにいろいろ変わる浴槽)がある。我々が行った時は「青リンゴの湯」ということで浴槽一面に青リンゴが浮かんでおり、リンゴのいい香りに包まれてリラックスできた。もちろん大浴場からは洞爺湖が一望できる。そしてこの温泉の一番のウリは露天風呂。まるで浴槽から洞爺湖にお湯が流れ落ちるような独特な演出がされており、何とも言えないぜいたくな解放感が味わえる。
食事はバイキング形式。ちょっと値段が高めに設定されている分、料理には期待していなのだが、期待値が高すぎたのか、正直イマイチというのが我が家の感想であった。ステーキに関してはやわらかくで申し分なかったのだが、握り寿司のネタが普通の刺身ではなくハムやら野菜やらであったりとか、創作意欲は認めるのだが、利用者の期待に対するピントがずれているとしか思えない料理も結構あり、高級志向の人なら舌鼓を打つのかもしれないが、一般庶民である我々にはちょっと理解しがたかった。やっぱり寿司は新鮮魚貝の刺身で食べたい。行った時期がたまたま悪かったのかもしれないが、今回の旅行の一番のマイナスポイントはこの夕食だった。仕方ないのでおいしかったラーメンを何回も食べてやったさ。
夜に、子どもたちを寝かした後にもう一つの浴場である「昭和乃湯」に行ってみたが、「昭和の銭湯」に風情を感じない世代にとっては特に何も感じるところはなかった。どうなんだろう、このお風呂は必要なんだろうか??せっかくこんなオシャレな旅館なのだからもっと違うアプローチでもいいのではないだろうか。
なお、今回は利用しなかったが、プラス1000円で岩盤浴が60分利用できるので、これは岩盤浴好きにはいいのではないだろうか。また、貸切風呂もあったり、展望風呂付客室もあったりと、まだまだいろんな楽しみ方ができそうだ。また、チェックアウトが11:00なのも食事後にゆっくりお風呂に入れるのでうれしいところだ。
とにもかくにもあの夕食と、昭和の風呂がイマイチ理解に苦しむが、天翔だった時代よりははるかにグレードアップしており、プチぜいたくを味わいたい旅行にはオススメの旅館ではないだろうか。